【甲子園熱戦】二刀流・坂本慎太郎が捧げる亡き両親への決意 関東第一が東京対決制す道
関東第一・坂本慎太郎が亡き両親への思いを力に変え、二刀流でチームを導いた熱戦記。東京勢対決を制すための戦術分析と選手の熱きドラマに迫る。
運命の2点打が生んだ東京決戦
満塁の舞台で蘇る記憶
3回1死満塁の緊迫した局面、バッターボックスに立った坂本慎太郎(関東第一)の脳裏を昨夏決勝戦の光景が駆け抜けた。"あの時と同じコースだ"。グリップを握りしめる手に力が込もる。鋭く振り抜いたバットが放つ白球は、創成館の外野スタンドへ吸い込まれていった。
天に捧ぐ二刀流の覚悟
6回からマウンドに立った坂本は4回を無失点に抑える快投。"投げてて楽しいという感覚が全てを変える"と語る表情には、両親を亡くした苦悩を乗り越えた強さが宿っていた。寮で続ける中浜捕手との"1日1球儀式"が生んだ絆が、ピンチを凌ぐ制球力の源だ。
データが語る東京勢激突
歴史が動く5度目の対決
準々決勝で待ち受ける日大三との対戦は、過去74年の甲子園史で5度目となる東京勢激突。報知新聞社の記録によれば、兄弟校対決を含む過去4回の戦績は2勝2敗。関東第一が2010年に早実に敗れたリベンジの機会となる。
進化する二刀流の戦術
- 打撃:内角攻めの初球打率.438(今大会5打数2安打)
- 投球:スライダー使用率35%→42%に変更
- 守備:三振奪取率が前日比15%向上
亡き両親への約束
"スタンドで見守る姉の存在が心の支え"と語る坂本。試合後、空を見上げる仕草には、"甲子園の砂埃に乗せて届け"という無言のメッセージが込められていた。次戦では"昨夏の忘れ物"である優勝旗奪還へ、二刀流の真価が問われる。

